働きながら出産を控えている方々にとって、産休・育休中の収入問題は非常に気になるところかと思います。
自分は無給になる上、出産準備や育児に必要な備品を揃えだせば出費は増える一方。保育園に通わせるとなるとそのお金も貯蓄したい…。
ただでさえ不安の多い妊娠生活ですから、産後の家計収支のイメージを掴んでおいて損はないはずです。
何も知らなかったあめやみやは、会社の休業規定の
「産休育休中は原則無給」
という文字だけ読んで、「やべぇ、一年以上無収入だと…!?」と震え上がりました。
いやいや、ちゃんと調べたらすぐ休業中の保障云々出てきますよねそりゃ…。
この記事では、産休・育休中に支給されるお金の「種類」「支給額」「タイミング」を整理した上で、知っておいて損はしない支給の仕組みも紹介していきます。
産休育休中は無給!でも手当や給付金が支給される
この記事を読んでもらいたい人
今回の記事はあめやみやの経験を基にまとめている部分が多いので、
以下のような状況の方にはとても役立つのではないかと思います。
雇用形態や産休前後での退職を検討されている場合、給付金の計算や条件が変わってきます。
この記事の中では産休前の働き方や有休の利用のしかた等も提案していく予定なので、上記に当てはまる方は必見です!
各休業期間に貰えるお金について
産休・育休中に貰えるお金としては、以下の3つがあります。
- 出産一時金…出産等により貰える一時的なお金
- 出産手当金…出産のための休業により給料が得られない(減る)ときに、給料の代わりとして貰えるお金
- 育児休業給付金…育児休業を取得したことで給料が得られない(減る)ときに、給料の代わりとして貰えるお金
ざっくりと解釈するとこんな感じです。
ただしそれぞれ、制度の提供主体や支給の条件、時期が違います。
比較表を作成したので、詳しくはこちらで確認してください。
出産一時金 | 出産手当金 | 育児休業給付金 | |
---|---|---|---|
制度 | 健康保険 | 健康保険 | 雇用保険 |
対象者 | 健康保険被保険者 (女性) | 健康保険被保険者 (女性) | 雇用保険被保険者 (男女とも) |
条件 | 妊娠4か月目以降であること 帝王切開、流産、早産、死産等も含まれる | 出産のために会社を休み、 給与が支払われていない または減額されている | ・育児休業を取得していて、給与が支払われていない または減額されている ・育休開始日前2年間のうち、被保険者期間が12か月以上 |
対象 期間 | - | 出産日以前42日から 出産の翌日以降56日まで | 女性:産休後の育休期間 男性:出産後の育休期間 <原則は子供が1歳になるまで ただし最大2歳になるまで延長可能> |
支給 時期 | 申請後2週間~2か月 ※直接支払制度を利用しない場合 | 産休終了後1か月程度 (出産から3か月程度) に一括支給 | 育児休業開始から2か月程度経過後支給開始 (出産から4か月程度) 以降2か月に1回支給 |
支給額 | 42万円 | ・一日あたりの金銭×対象日数 ・一日あたりの金銭= (12か月の標準報酬月額の平均÷30日)×2/3 | 最初の6か月:賃金日額×対象日数×67% 6か月を超えると×50% |
そもそも、「産休」に「産前」と「産後」があることを初めて把握しました…
そして「育休」は出産したらもう育休始まるもんだと思っていました。
「育休」の開始日も明確に決められているんですね
時間軸と重ねてみると、以下の図のように休業内容と給付制度が対応します。
支給されるお金が把握できたところで、じゃあ実際いくら貰えるんだ!?ってとこが重要ですよね。算出方法は表内に書いてあるので、そちらに当てはめて計算するわけですが…
「標準報酬月額の平均」「賃金日額」ってなんぞ???
ってなりませんか?
これらどちらも、支給する金額を決めるための基準となる
『その人が休業していなければ貰えたはずの月給(日給)』
なのです、が…。
これってどうやって出てくるものなのか?ってところですね。
ちなみにこの2つ、算定の仕方が同じじゃないんです。(頭イタイ…)
以下で具体的な算出の方法を記載しますが、
「ざっくりといくら貰えるか、サクッと確認するだけでいい!!」
って方は是非次の項でご紹介させていただいているシミュレーションサイトにジャンプください!むしろ一回金額を掴んでからの方が分かり良いかもしれません。
出産一時金・育児休業給付金の計算方法を詳しく把握する
出産手当金の算出方法
支給される額=<直近12か月間の標準報酬月額の平均額>÷30日×2/3
この「標準報酬月額」とは…
- 毎月の報酬の月額を区切りの良い幅で区分したもの
※社会保険料を決める基準の月額と同じで4月、5月、6月の3か月の間に
支払われた報酬の月平均を使って算出されるもの。 - 会社から支払われる給与の額面の金額。
(社会保険料等控除前の金額 手当、通勤費等を含む) - ボーナスは含まない
として定義されます。
「直近12か月間の…」とあるのは、標準報酬月額は年度を跨ぐと再計算されますし、年度の途中で昇格し給与が上がった場合も再計算されるため、そうしたケースをある程度加味しての平均値を用いることにしているようです。
自分の標準報酬月額がいくらになっているかは、給与明細の社会保険料控除の金額から逆算することができます。または、加入している健康保険組合に問い合わせて知ることもできます。
大まかには、自分の4月~6月の給与所得の平均額としておけばよいでしょう。
「標準報酬月額の平均」を30日で割って算出されるものが
「休業しなければ本来貰えるはずだった日割りの賃金」と見なされます。
そして「日割りの賃金」の2/3が、「就労している代わりに支払われる日当」になるわけです。
日当×産前産後休業の日数(=対象期間)分、出産手当金として支給されることになります。
産前休業期間42日は、あくまでも予定日までの日数です。
予定より遅くなった場合は〇〇日プラス、早く生まれた場合は逆に〇〇日マイナスされます。
育児休業給付金の算出方法
支給される額
育休開始後6か月まで…<休業開始時の賃金日額>×支給日数×67%
育休開始後6か月以降…<休業開始時の賃金日額>×支給日数×50%
この「賃金日額」とは…
- 育児休業前6か月に支払われた賃金を180日で割ったもの
※ただし、就労日数が11日以下の月を除く - 会社から支払われる給与の額面の金額。
(社会保険料等控除前の金額 手当、通勤費等を含む) - ボーナスは含まない
として定義されます。
額面金額をもとに算出される点や、ボーナスが含まれない点は出産手当金を算出する場合と同じです。
異なる点は、標準報酬月額が「ある期間の平均的な報酬を補正したもの」なのに対し、賃金日額は「6か月間に実際に支払われた純粋な額面金額を180日で割ったもの」になります。
こちらの方が自分で計算しやすそうですね!
また、後述する記事内容<産休・育休中に支給されるお金の話 その②>で詳しく触れていきますが、「就労日数が11日以下の月を除く」という部分もポイントです。
育児休業給付金は支給開始後から子供が1歳になるまで2か月おきに指定口座に入金されます。
育休を延長した場合は、最長で子供が2歳になるまで支給されます。
各給付金シミュレーションサイトのご紹介
各支給金をざっくりとシミュレーションするのに大変便利なサイトをご紹介させていただきます。
こちらのサイトさんはいずれも、制度別の支給金額や支給の時期等を一緒に試算可能なので、育休中の収支組み立てに非常に役に立つはずです!
育休シミュレーターにて育児休業給付金の資産・支給期間の試算ができる他、パパ育休の取り方や育休取得までの手続き関係の記事等、夫婦で育休を取得していくためのコンテンツが充実しており、
大変参考にさせていただきました。
2.ニンプス
雇用形態や育休取得後の復帰の有無等で細かくシミュレーションの設定ができ、より現実に近い支給金額の試算が可能かと思われます。
その他、産休制度・育休制度や妊娠中の補助制度等、妊娠期間中の不安・疑問を解消してもらえそうな記事が盛りだくさんです。
入力項目とアウトプットがシンプルで見やすいので、まずはこちらで試算してみるとよいかもしれません。支給のタイミングもしっかり表示してくれます。
まとめ
産休・育休中に貰えるお金の種類、給付時期、給付額を把握して頂けたかと思います。
試算の方法を理解し実際に給付額を掴むことができれば、案外お金入ってくるじゃん…と安心材料になったのではないでしょうか。
今回の記事<産休・育休中に貰えるお金の話 その①>は各支給金の大枠の説明が大半でしたが、<その②>では、手取りと給付金の比較や有休と産休どっちが得か、等々、ちょっとニッチな支給金の内容について触れていきたいと思います。
宜しければこちらも見ていってください。
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